もっと地球と いいかんけい
SEARCH THIS SITE.
TAGS
トップ>見る・触れる>見学会
見学会
由布院のまちづくり
由布院のまちづくり

平成18年度第1回見学会(2日目)
■実施日時:平成18年12月9日(土)


雨の由布院/晴れていれば、まちを取り囲む山々が見えるはず。

由布院観光総合事務所・事務局長・米田氏のご尽力により、「ゆふいんらしいものの在り様」を常に考え、実践してきた四人のトップランナーを訪ね歩き、場所性にこだわったまち・建築・ものづくりについてお話を伺った。

□循環型のものづくり-木のクラフト工房

「木という素材に無駄なところはない。どんなに小さい端材でも楊子にして商品として売れる。林業と工芸が手を組んで木という素材をもっと活かすようにできれば、捨てられる材木は出ないと思う。」と、アトリエときデザイン研究所の時松さんはいう。

ここでは木を使った美しいデザインの器、日常品が販売されている。
「人が普段使うものを、美しいデザインで提供する場合、ただ美しければいいというものではない。例えばこの工房の器が学校給食で使ってもらえるのは、熱消毒等の法的条件を満たす機能を持っているから。性能も満たした上で、美しいものづくりをするということが大切なんです。」

器を作る際に出るおがくずは敷地内の地面にまき、水田を埋め立てて造成された場所の貧弱な土地の土壌改良に役立てている。「不思議なことにここで木を植えていたら、隣の家も植えるようになった。気持ちが伝染するみたいです(笑)。」



木のクラフト工房の時松さん/『木のクラフトショップ』内で循環型のものづくりについてお話いただいた

□古民家を活かした山の中の宿-無量塔

杉が植林されていた山の敷地を買い、古民家を移築・改築し、旅館営業を始めたのは今から14年前のこと。

「もとあった杉の木は切り、代わりに落葉樹を中心とした在来種を植えていきました。私は建築行為というのは多かれ少なかれ自然に負担をかけるものだと思っています。だからこそ、建築行為を通じてもとあった緑よりも豊かな緑を作るようなことをしたかったんです。」と、無量塔の社長・藤林氏はいう。


無量塔のお土産&カフェラウンジの外壁を、室内から望む。


無量塔のレストラン棟から庭を望む


無量塔

宿泊棟はその多くが古民家を移築・改築したもの。一部屋が40坪もある部屋にはそれぞれリビングが設けられ、どの窓からも紅葉が美しい、山とも庭とも言えない奥深い木立ちが臨める。なんとも贅沢な空間である。


□雑木林の創生と活用-玉の湯旅館

玉の湯旅館は雑木林の中に離れが点在している旅館なのだが、鬱蒼とした林が30年前に人の手によって植えられたものだと聞き驚いた。


この一大プロジェクトのために大分大学、東大の共同チームが結成され、動植物学者などが3~4年をかけて検討した結果、元あった水田の土壌を木が育つような土に総入れ替えした。そこに由布院の在来種を1本1本植え、3千坪の敷地に雑木林が作られたのである。土壌を総入れ替えしたのは、「稲と木では必要な土壌環境が違う」という理由から。

玉の湯旅館の前庭/脇はレストラン棟。鳥の飛来が増えるとともに、植えた覚えのない植物をあちこちで見かけるようになったという。


「30年も続けるうちに、木の引き取り先になってしまい、家族にとって思い出深い木たちもこの庭に植えられるようになった。だからその木に会いに、元の持ち主たちが会いにくる。そんな物語がこの庭にはあり、そこが面白いんです。」と、玉の湯旅館の会長・溝口氏はいう。

ある建築行為を通じて、自然が創生されたという好例ではないだろうか。



玉の湯旅館の庭は土を総入れ替えして、1から作られたもの。
30年くらいかけると、鳥のおかげで植えていない木が増えてくる。


玉の湯旅館の脇にあるお地蔵さんと水場

□由布院の「ここ」感を意識した建築-亀の井別荘

常に「由布院らしさとは何か?」と自問自答している中谷氏。

「40年も経って気づいたことは、由布院らしさは決して行政区の中にはないということです。山に囲まれた「盆地」という環境こそが「ゆふいんらしさ」の原点なんだと、最近になって思い出しました。」


古い民家を改築した、亀の井別荘の食事処。

由布院をゆふいんたらしめているのは、自分たちの生活している「ここ」であり、目に見える風景であり、気候であり、生活そのものである。「だからこそ山を敬い、風景の一部として馴染むような建築にすべきなんだと思います。」
亀の井旅館の敷地は一万坪。元々あった雑木林の中に、古民家を利用した食事処や宿泊棟が点在している。建物の屋根線は周囲の山並に沿い、高く伸びた木々より高い建物はない。金鱗湖と周囲の山々の間にあって、景観の質をさらに高めていた。



小雨の降る日の金鱗湖。湖の向こうの山並に霧がかかり幻想的な風景が広がる。
見学会は2日間とも雨に降られてしまい、由布岳が望めなかった。


「自然に敬意を払い、自分たちの生活空間をデザインすることも、自然と共に暮らす為の大切な作法である。」当たり前だが忘れがちなことを再認識させてもらった見学会となった。



今回お世話になった大分県の皆様に、改めて感謝の意を述べたいと思います。
ありがとうございました。(kokubo)


■見学会報告レポート 一覧へ戻る

<<からほり倶楽部 | パークプレイス大分公園通り >>

 


サイトマップ 問い合わせ サイトポリシー ENGLISH
Copyright(c)2017 一般社団法人 環境共生住宅推進協議会 All Rights Reserved.