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見学会
じねんキャンパスエコビレッジ
 6月20日(金)に今年度第1回の見学会が開催された。今回見学したのは、日本大学生物資源科学部のキャンパスとその一角に建つ生物環境科学研究センター。
 日本大学生物資源科学部のキャンパスでは、「大学のキャンパスはひとつの街である」という考え方の下、50ha以上の広大な敷地にある校舎、研究施設、農場などによりエコロジカルな環境づくり、居住地づくりのモデル的な実験が試みられている。(参加者20名)




 全体のご説明、ご案内は、同大学生物環境工学科 建築・地域共生デザイン研究室教授の糸長浩司氏にお願いした。(糸長氏は、日本建築家協会 環境行動委員のメンバーでもあり、またNPO法人パーマカルチャー・センター・ジャパンの代表理事でもある。)
 まず、環境工学科が入っている建物(7号館)の玄関部分の屋上及び壁面緑化を見学。この緑化については糸長氏が全面的に管理しているそうである。そこには市販の「ミミズボックス」が置かれ、循環型土づくりのために野菜屑によるミミズ養殖と堆肥づくりが行われていた。箱の中にはどうしても小蝿が発生するので、「その場合は近くに置いてある食虫植物を使う」と糸長氏は半分笑いながら説明してくださった。その後、キャンパス内の農場等を巡って、生物環境科学研究センター(CNES)へ移動し、ここでの取組みに関する説明を受けた。


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(すべての画像はクリックすると大きく表示されます)


■生物環境科学研究センター(CNES)の概要

 CNESは、文部科学省による「21世紀COEプログラム」の一環として<学際、複合、新領域>分野での拠点施設として位置づけられたもの。キャンパス内の谷地の地形のランドスケープを活かし、この施設そのものが環境実験・研究装置として、エコ建築、エコロジカルランドスケープの視点でつくられている。(計画・設計・施工指導は糸長氏)
 コンセプトは「自然の力、生物の力を活かした、エコロジカルデザインの実験モデル施設」であり、教員、学生、企業等の協働によって成長しつづける環境として整備されてきている。

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■CNESにおける12のデザイン手法

①省エネエコ技術

廊下をパッシブプロムナードとして、温熱環境の調整機能を果たす空間として機械の力を余り使用せず、自然の力の仕組みを活用して機能させる。 建物におけるダブルスキン(二重空洞壁)的機能を果たし、温熱の緩衝空間として機能する。夏にはクールチューブからの冷風を取り入れる。

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②地下水利用・床冷暖房

地下60mからの地下水を汲み上げ、その熱源を利用したヒートポンプシステムにより、夏は冷房、冬は暖房の熱源として活用し、情報ホールとミーティングルームの床冷暖房と空調システムを行う。

③雨水利用

建物の屋上に降った雨水は地下のピットに雨水タンクに貯水され、便所の洗浄水や屋上緑化、菜園の散水用水として活用する。

④緑化による断熱

 斜面緑地を生かした屋上緑化や建物壁面における蔓性植物等による緑化により、施設の断熱性を高め省エネ施設とする。 
 また、周囲に植物を植え、建物内外の微気候の形成に関する効果の実験研究を行う。

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⑤ビオトープ

屋上と情報ホール南面のビオトープ池を上下につなぐカスケード型の水循環系システムをつくる。ビオトープ池と屋上池での生物相の変化、屋上直下の室内の温熱環境と断熱効果の実験等を行う。

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⑥植物汚水浄化システム

別棟として植物と微生物を活用した汚水浄化実験プラントを設置し、ミニ生態系による汚水浄化プラントの開発的実験を行う。植物だけでなくゼオライト等のミネラル材の活用も図る。

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⑦エコ素材

エコ建築として、健康に害がない自然素材の活用に配慮する。特に、吸湿性能が高い多孔質素材である珪藻土、再生木を壁面として使用している。

⑧自然エネルギー

植物浄化システム棟の屋上には3kWのソーラーパネルが設置され、浄化システムのポンプの電力をまかなう。余った電力は売電される。

⑨景観づくり

南斜面の敷地の特徴を生かし、低層2階建てとし、屋上緑化・壁面緑化、珪藻土、再生木の壁面仕上げにより、周囲の緑・田園景観になじむ景観施設として整備する。

⑩エディブルランドスケープ

屋上緑化、壁面緑化、ビオトープ、ガーデンづくりの一環として、食べられる植物を意識的に栽培することで、みどりの多様性と有用性のある景観づくりをする。また、施設内からの生ゴミ等の有機性廃棄物を堆肥化し、土づくりに役立て、施設内での有機物のゼロエミッション化のモデルをつくる。


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⑪DIY

 計画-施工段階での教員の参加、学生と教員の参加による珪藻土の壁塗り作業等、DIYの理念での環境づくりを進めている。建築の完了後も屋上緑化、壁面緑化、ビオトープ池づくり、パーマカルチャーガーデンづくり、原っぱづくり等、研究を兼ねて、教員、学生、地域住民の参加により、DIYでエコロジカルなモデル環境づくりを行っていく。環境は自分達で育てるものであるということを実験的体験的に明らかにしていく。

⑫地域企業の協力

屋上緑化やビオトープづくり等は、環境系企業、神奈川県、藤沢市役所、地域の環境NPOの協力を得て行い、の成長過程を研究していく。

■敷地内での取組み

 敷地内には、ストローベイル(藁)と荒木田による壁をもつモデル的な自然建築が建っている。これは、大学生、建築家、左官屋、地域の子どもやエコ建築に興味をもつ人々、環境NPOがワークショップ形式で建てたもので、建築を共同でつくる楽しさ、難しさを実感することができたという。
 居住者として想定されている学生が建物や菜園をつくり、維持管理し、環境性能を評価し改善していくという、いわゆる「住民主体のまちづくりのモデル」が実践されている。

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 前述した「12のデザイン手法」のひとつにも挙げられている「エディブルランドスケープ」として、敷地内の高低差を活かした棚田もつくられており、水質の浄化機能と水稲の生産などの実験を通して、環境保全型農業の検証が行われている。

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 CNESとその周辺では、パーマカルチャーをベースに、自然・生物系と工学・建築系の融合・複合により、人間と自然が共生し、人間生活が豊かになる環境をいかに自分たちで創り、維持管理していくかについて、机上ではなくフィールドで実践されている。見学後の糸長氏によるミニ講演では、パーマカルチャーとエコビレッジをテーマにお話をいただいたが、見学と講演を通じて、今後の住宅づくり、まちづくりにおいては、こうした「都市的機能」と「農的機能」がパッチワーク的に混在していくことの必要性、重要性の一端を知ることができた。
 またそこには、住民が主体的に係っていくことが不可欠であることも改めて実感することができた。
 このキャンパスで行われていることはひとつのモデルでしかないが、地球温暖化抑制、二酸化炭素排出削減が叫ばれている現在、こうしたパーマカルチャーという考え方、手法は、今後のまちづくり、環境づくりにおいて非常に有効な手段ではないか。個人的には、そんなふうに改めてパーマカルチャーを見直すことができた見学会だった。
(skit01)

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