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環境共生住宅 関連情報

住宅部品環境大綱(もっと詳しく)

1.住宅部品のライフサイクルを通じた環境への取り組み

住宅部品を企画・開発する際、原材料調達から製造・流通、建築設計、施工、使用・維持、更新、廃棄・再利用に至る住宅部品の全ライフサイクルを視野に入れ、それぞれの段階について環境負荷の低減と環境性能の強化・拡充を図るとともに、関連する政策への対応や自主行動の積極的な展開に努める。

(1)ライフサイクルの視点

住宅部品の開発、製造、流通、評価等に関わる者(以下「住宅部品生産者等」という。)は、住宅部品に関する環境負荷の低減及び環境性能の強化・拡充に効果的かつ総合的に取り組むためには、自らが直接関わる開発・生産・供給等の段階だけではなく、建築設計、施工、使用・維持、廃棄・再利用に至る全ライフサイクルを視野に入れ、それぞれの段階において環境負荷の低減及び環境性能の強化・拡充を図らねばならない。これを住宅部品のライフサイクルを通じた環境への取り組みという。 また、この取り組みに関連する各種の政策への対応や、それぞれの自主的な行動を積極的に展開する。

(2)ライフサイクルの各段階における取り組み

住宅部品生産者等は、まず住宅部品の原材料の採取、調達から工場での製品化、梱包に際し、工場生産や計画生産等の合理的な特性を活かして、出来る限り環境負荷の低減に努める。また、住宅部品の開発にあたっては、そのライフサイクルの各段階で環境負荷の低減と環境性能の向上に資するよう設計する。具体的には、各段階で以下のような配慮が求められる。

2.住宅部品の環境に配慮した企画・開発(環境配慮デザイン)の強化

(1)環境負荷低減への取り組み

住宅部品の全ライフサイクルを通じて資源・エネルギーの投入量を削減するとともに、地球環境問題に関与する原因物質の発生抑制、廃棄物の削減、地域環境の汚染防止等に積極的に取り組むことにより、総合的な環境負荷の低減を図る。

○環境に配慮した取り組みの二つの側面

住宅部品生産者等による環境に配慮した住宅部品を供給する取り組みには、大きく分けて「環境配慮デザイン」と「環境マネジメント」の二つの側面がある。 ここで、「環境配慮デザイン」とは、住宅部品を企画・開発する際の、環境負荷の低減及び環境性能の向上に資する取り組みの全体を指す。さらに、「環境配慮デザイン」は「環境負荷の低減」と「環境性能の向上」の二つの側面からなる。 また、「環境マネジメント」とは、環境配慮デザインに関連する様々な政策への対応や、住宅部品生産者等が自主的に取り組む企業・団体行動をいう。

○環境負荷の低減【環境配慮デザインの側面-1】

全ての住宅部品は、製造からリサイクル・廃棄に至るまでの間に、必ず何らかの環境負荷を発生させるが、この環境負荷を低減させる取り組みは「省資源・省エネルギー」と、「住宅部品から発生する環境負荷の低減」の二つに分類できる。
「省資源・省エネルギー」は、ライフサイクルの全過程を通じて限りある資源・エネルギーの投入量を極力削減することであり、その結果として二酸化炭素の排出量削減につながる。この取り組みは、住宅部品生産者等によってこれまでも生産効率の向上やコスト低減の観点から、製造・供給段階において積極的に推進されてきたが、時代の要請に応え、更なる削減に努める。
一方、「住宅部品から発生する環境負荷の低減」は、住宅部品の生産・供給・使用・解体・廃棄の段階で直接的、間接的に発生する環境への負荷を低減する取り組みであり、主に「地球環境の悪化に関与する物質の発生抑制」、「廃棄物の発生抑制」、「地域環境の汚染防止」、「室内環境の汚染防止」の4つに細分化される。このうち、解体時や廃棄時に発生する問題のような、住宅部品供給者等が最近まで直接関与することが少なく取り組みが遅れていた分野では、より積極的な取り組みが求められる。

(2)住宅部品の環境性能の強化・拡充への取り組み

住宅部品に求められる、使いやすさ、手触りのよさ、快適な温熱・空気・光環境、周辺環境との調和などといった、住宅内外の生活アメニティの向上に資する機能・性能(環境性能)の強化・拡充に努める。

○環境性能の強化・拡充【環境配慮デザインの側面-2】

住宅部品の環境性能とは、その使いやすさ、手触りのよさ、快適な温熱・空気質・光環境等の住環境の向上、周辺環境との調和などといった性能・機能を指し、いわゆる「生活アメニティ」の向上に資するものをいう。 こうした住宅部品の環境性能は直接居住者の快適性に寄与するため、これまでも積極的に取り組まれてきたが、更なる生活アメニティの強化、拡充に向けて努力する。

(参考)環境配慮デザインの評価について
住宅の環境配慮デザインにおいては、環境性能の強化・拡充によって、かえって環境負荷が増大するというトレードオフの関係も考えられる。このため、環境配慮デザインの評価に関して、総合的に評価する枠組みが現在検討されている。

3.住宅部品に関する環境に配慮した企業・団体行動(環境マネジメント)の推進

(1)政策への対応

住宅部品に関して法令等に規定されている環境配慮の基準値等を遵守するだけではなく、助成制度、認定制度、ラベリング制度等によって誘導されているより高度な環境配慮水準の達成をめざす。

○法規制や誘導等への積極的な取り組み【環境マネジメントの側面-1】

エネルギーや資源・廃棄物等の、国際的な枠組みのなかで国レベルで重大な問題については、すでに様々な法令や推奨基準等により政策的な規制や誘導が行われている。住宅部品生産者等は、それらの法令等により設定されている規制基準値を最低限レベルとして守らなければならない。 また、住宅部品生産者等は、助成制度、認定制度、ラベリング等により誘導が行われているより高度な水準に対しても積極的に取り組むだけではなく、自ら目標を設定しその達成に向けて努力する。

(参考)

(2)自主行動

関連する行政機関、学会、企業、団体との連携・協力体制を強化し、以下のような環境に配慮した住宅部品の開発、製造・流通、評価等に関する各種自主行動を積極的に推進する。・各団体の環境行動計画の策定等・住宅部品の環境性能評価手法の開発及び環境性能に関する情報公開・エンドユーザー、設計者、建築技術者、リサイクル・廃棄関連事業者等に向けた、環境に配慮した住宅部品の普及・啓発活動及び情報提供の実施等

○自主行動【環境マネジメントの側面-2】
 

住宅部品生産者等は、政策や誘導への対応に加えて、関連する行政機関、企業、団体との連携・協力体制を強化し、環境に配慮した住宅部品の開発、製造・流通、評価等に関する自主的な企業・団体行動を積極的に活性化させる。 また、住宅部品の環境負荷の低減及び環境性能の強化・拡充に関する取り組みの効果や実態については、様々な関連団体等(学会、団体、行政、企業等)が調査研究を進めており、既に多くの知見が得られつつある。住宅部品生産者等は、環境行動を持続的に推進し、今後生じることが予想される新たな環境問題に対しても的確に対応できるよう、これらの関連団体等と連携・協力体制に努める。 さらに、住宅部品生産者等は、住宅部品の流通や再利用・廃棄に係わる関連産業と密接に協力し、住宅部品の原材料の調達から再利用・廃棄に至るまでの総合的な環境負荷の低減と環境性能の強化・拡充に努める。

○各団体の環境行動計画の策定等【自主行動の具体的な内容-1】

住宅部品生産者等は、本大綱の理念の下にその団体の特性に応じた環境方針を策定し、それに基づきそれぞれの取り組みの具体的な共通目標の設定、それを実現するための具体的な行動の検討を行い、これらをまとめた行動計画を策定し、その実行に努める。 具体的には、社団法人リビングアメニティ協会は、住宅部品供給者として環境への配慮を実現していくための行動計画を策定する。 また、環境共生まちづくり協会は、本大綱の理念を協会活動全体に反映させていく。 さらに、こうした取り組みの目標達成状況の検証を継続的に行い、結果を情報公開するとともに、必要に応じて行動計画等の見直しのための検討を行う。

○環境性能評価手法の開発と、環境性能に関する情報の公開 【自主行動の具体的な内容-2】

財団法人ベターリビングは、本大綱の理念を優良住宅部品認定制度に反映させていく。特に、住宅部品の環境配慮デザインについては、環境性能の強化・拡充によって、かえって環境負荷が増大するというトレードオフの関係も考えられることを念頭におき、優良住宅部品認定の基準への反映を図っていく。また、住宅部品の環境性能に関する情報を公開していく。

○エンドユーザー、建設技術者、設計者、リサイクル・廃棄関係者等に対する普及・啓発・情報提供の実施等 【自主行動の具体的な内容-3】

住宅部品の環境負荷の低減と環境性能の強化・拡充に関する取り組みの効果は、ライフサイクルの中でも使用段階における居住者の利用方法に大きく左右される。従って、居住者が住宅部品及び住宅部品によって構成される住宅を適切に使用・維持管理できるように、住宅部品生産者等は居住者に対して環境負荷の少ない住宅部品の選定、組み合わせ、使用方法、メンテナンス方法等に関する情報提供活動に努める必要がある。
また、今後は住宅のリフォームの需要が高まると予想されるため、住宅部品生産者等は、取り替えやすく、より環境に配慮した住宅部品を居住者が適切に選択できるような仕組みの構築に努める。居住者に対する取り組み例としては、個々の消費者に対して、あるいはメディアを通じて社会全体に対して環境に配慮したライフスタイルの提案・普及や、関連する市民活動への協力及び支援等が考えられる。
さらに、住宅部品が計画時に想定した機能を十分発揮するためには、居住者が関わる使用段階のみならず、住宅部品が住宅設計に際して効果的に選択され、住宅工事に際して適切に施工され、適切に廃棄・リサイクルされる必要がある。 従って、住宅部品生産者等は、当該部品の生産・供給段階からの履歴や構成等に関する情報を、建設技能者、設計者及びリサイクル・廃棄関係者に対して周知するよう努める。

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