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kkj 特集~暖かくすごす冬の工夫

熱を逃がさないために

人は自分の体温が多く奪われた時に「寒い」と感じます。 熱が奪われないような工夫をすることで、人の感じる「寒さ」を和らげましょう。

人の場合 - 熱の逃げやすい場所を衣類で包もう

人の身体の特に熱の逃げやすい部分は首や肩、腰などの他に手のひらや足の裏など。衣類で包まれている他の部位に比べ外気にさらされやすい場所や、衣類の隙間にあたる手首や腰回り、床に近い足首や足の裏から熱は逃げていきます。
このような部分に熱を逃さない工夫を施すことで、体内からの熱の放出を効果的に抑え、暖かく過ごすことができます。

部位 熱を逃さない工夫
首元を暖めると体感温度が上がると言われています。タートルネックやミニマフラーで首周りをしっかりガードしましょう。
肩(上半身) 厚手のセーターを一枚羽織るよりも、薄手のシャツやカットソーを何枚か羽織ることで衣類の間に空気層ができます。この空気層が体温によって暖められることで断熱層として冷たい空気をシャットアウトしてくれます。
腰(下半身) 人は下半身をあたためることで全身の血の巡りがよくなり、身体全体で暖かさを感じることができます。現在は薄手の腹巻き(ホッカイロが入れられるもの)も種類が豊富で安価になっていますので、いつもの服の下にこっそり着てみては?
手首・手のひら 指先には体温に関わる神経が集中しています。手のひらや足の裏にある血管の抹消部分は、縮小と拡張によって熱の放出をコントロールしています。そのため手袋などでこの部位から熱を逃がさないようにすると、全身の寒さを効果的に和らげます。
足首・足の裏 全身のツボが点在する足の裏は「第二の心臓」とも呼ばれ、血液循環の重要な役割を担っています。靴下の二重履きやルームシューズの着用で足を冷やさない工夫は、全身の寒さをやわらげるために効果的です。

家の場合 - 特に熱の逃げやすい場所を改善し、温度のムラを解消させる

人の体と同じように、建物にも「熱の逃げやすい部分」というものがあります。熱が一番逃げやすい部分は、窓やドアなどの開口部。 また、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に流れるので、床面は特に冷えやすく、特に断熱不足だったり漏気している場合は、部屋の中に上下温度差が生じやすくなります。
家の場合 、人とは違って「着衣量」を季節ごとに変えて寒さや暑さをしのぐわけにはいきません。そのため、躯体の性能を外部環境に影響されにくいようにする工夫、つまり「断熱性能」を上げることが必要になります。しかし、着衣のように家の断熱性能をあげる工夫は、誰でも気軽にできることばかりではありません。すぐに行える工夫としては、熱の逃げやすい開口部から熱を逃がさないようにすること。そして冷気の溜りやすい床部分を暖めることなどがあげられます。

部位 熱を逃さない工夫
窓・ドア
(開口部)
窓やドアを含む開口部は外気の影響を受けやすい部位です。窓そのものを断熱性能の良いものに交換できない場合は、冬季の夜間は雨戸を閉める、雨戸がない場合は断熱性能の高い断熱スクリーンや断熱性の高いカーテンを使うことで、寒さの侵入を防いでくれます。
また、窓辺に暖房器具を設置することで、冷気の侵入を抑えてくれる効果があります。

もっと詳しく! 環境共生住宅部品データーベース 「断熱サッシ・断熱ドア」
断熱不足や漏気により床(足元)が冷えていると、せっかく暖房しても暖かいのは頭の方だけで、人にとって快適な環境であるとはいえません。
床に断熱材を設置して漏気を防ぐことで床の表面温度を上げ、室内の上下温度差や温度むらを小さくすることができます。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまるので、 断熱改修などが無理な場合でも、床面にカーペットを引くなどして足元の温度をあげる工夫をしてみましょう。
屋根・天井・外壁 屋根や天井の断熱を強化することで、冬の暖房時に屋根や天井から暖かい空気が逃げていくのを防ぎます。また夏の水平面は大量の日射熱を受けるため、夏の屋根の表面温度は60~70℃にも達します。屋根や天井断熱によって、日射熱が室内に入るのを防ぎます。(※屋根断熱の場合には通気層、天井断熱の場合には小屋裏換気が不可欠)
外壁も同じように断熱性能をあげることで、暖房や冷房に係るエネルギー消費率を下げることにつながります。

住宅の断熱化はなぜ必要なのか?

住宅の断熱化を図るほど、外の環境と室内の環境が遠ざかるという認識をもたれている方も多いでしょう。
しかし、住宅の断熱化はむしろ、外の環境と室内の環境を近しいものにするための技術であり、環境にかかる負荷を少なくするための基盤技術であると言えます。
例えば、冬。室内の暖めた空気が壁や床、窓などからどんどん外に逃げて行くと、非常に暖房効率が悪くなります。暖めた空気を逃さないようにできれば、室内を暖める際に使う資源の量は少なくて済みます。外気温に左右されない住宅は外部環境に配慮されていないのではなく、むしろ外気温の影響を躯体で軽減させ、暖冷房にかかるエネルギー量を抑え、地球環境へ係る負荷を低減させようとするための試みです。

さて最後に、すぐ始められる「暖かくすごす冬の工夫」について見ていくことにしましょう。

暖かくすごす冬の工夫

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