kkj 特集~水と共に暮らす
水と共に暮らす
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Q:雨水はきれいなの?
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A:3 きれい&きたない
雨は降るときに大気中の汚れを吸い取り、地上に降ってきます。そして屋根などの構造物に当たってからも、その表面の汚れを洗い流してくれる役割を担っています。雨水を貯める際に降り始めの5分くらいの水だけ除こうとする「初期雨水の排除」は、そんな理由から行われています。
大気中の汚れや構造物の汚れを雨が洗い流してくれるということは、つまり空や町がきれいな場所に降る雨は汚れが少なく、反対に空や町が汚れている場所に降る雨は、その汚れを含んで川や海に流れていくことになります。
きれいな雨を降らせるために、私たちは水の循環だけでなはく、大気を汚さないことも考えなくてはなりません。
(※雨はもともと蒸発した水分でできた雲から落ちてきたもので、蒸留水に近く無味。)
やってみよう!ゆっくり返す水道(みずみち)を作ろう
○家の周りに「蒸発散ポイント」を増やそう
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(英/レッチワース)
- 家の庭や屋根部分に土を盛り、植物を植えるようにしましょう。樹木は地表に雨水を浸透させやすくする他、土壌そのものの保水力も高めます。根が土の間に細かく入り込み、柔らかくほぐして団粒構造をつくり、その隙間に雨水と空気が蓄えられます。
- 樹木を植えられない場所(駐車場など)も、なるべく最低限の面積だけ舗装し、雨水が地面に浸透していく作りにしましょう。
○自然から借りた水を大切に使おう
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(右) お風呂の残り水は窓から降ろしたホースから地面へと流れ、勾配を付けた庭をほぼ一周する。
- 例えばお風呂の残り湯や自分の家の屋根に降った雨水などが、庭の土面をゆっくりと辿って、地下に浸透していくような水道(みずみち)を我が家に作ってみましょう。
- 庭に木を植え、その庭木にお米のとぎ汁や、野菜を洗った水をかければ、節水にもつながります。家を建てる時に、そういった導線も考慮しておくとあまり手間をかけずに実践することができます。
もうひと工夫!水を使いわけてみよう
○水を使いわけてみよう
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1回の使用で流さずに、2回、3回使えないか考えてみよう。
あなたのアイデア次第で、いろんな使い分けが出来そうです。
例1:米のとぎ汁を植木にあげる。
例2:風呂の残り湯を洗濯に使ってみる。
ケロリのひとこと『かけ湯してますか?』
昔の人たちは、良い水質が求められる用途ごとに優先順位をつけ、用途にあわせ多段階的に水を活用をしていました。しかも糞尿は肥料として循環利用できていたので、自然に大きな負担をかけることなく、水質を維持することができていたのです。
上がり湯(最後のために一番きれいなお湯をとっておく)>かけ湯>一番風呂>二番風呂>洗濯などはもっとも一般的な多段階利用の方法で、あまり珍しくもないかもしれませんが、理にかなった使い方です。かけ湯をするのは、風呂桶の中に汚れや細菌類を持ち込まないため。例えば4人の家族が入った翌日のお風呂の残り湯は白濁し、底が見えづらくなっていたりします。これは体についていた雑菌が、風呂桶に残ったお湯の中で増殖した結果で、一般細菌数で検査すると、1ccあたり数千~数万の菌がいるとか。
お風呂ってけっこう汚れるものなのです。
翌日、洗濯に使うつもりであれば、やっぱりかけ湯をして体の汚れを落としてから、湯に入る習慣がほしいところですね。
雨水を使ってみよう
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- 屋根に降った雨は樋を通り、雨水管へと集められていきます。まずこの樋と管の間に、雨水をためる入れ物を置き、庭への散水に雨水を使いましょう。
- 貯めた水は常に使うようにし、腐らせないようにしましょう。ポイントは「日に当てない。」「空気にさらさない。」「常に使い続け死に水を作らない。」こと。
- 集合住宅に住んでいて、樋からの集水や、雨水を貯めるのが難しい人は、雨が降る位置に植木鉢を置くなど、ちょっとした工夫で雨水活用してみては?
□ 参考図書
・ 雨の建築学/日本建築学界編/北斗出版
・「水」の安心生活術/中臣昌広著/集英社
・だれでもできる やさしい水のしらべかた/河辺昌子著/合同出版